1ページ目:森林環境教育とは
2ページ目:そもそも「環境教育」って何?
3ページ目:森林環境教育の目指すものとは
「森林内での様々な活動体験等を通じて、人々の生活や環境と森林との関係について理解と関心を深める」(平成14年度森林・林業白書)
新しい言葉は、その言葉が様々な場面で使われた結果として「結局、こういう意味だ、と整理することが妥当であろう」ということで定義されるのであろう。森林環境教育はまだ新しい言葉だ。上記は平成14年度の『森林・林業白書』に書かれた森林環境教育を説明する文章だが、林野庁として森林環境教育の意味を明文化したのはこの平成14年の白書が初めてである。
「森林環境教育」という6 文字熟語は、どこで区切るのが良いのだろうか。「森林・環境教育」なのか「森林環境・教育」なのか、はたまた「森林・環境・教育」なのか。答えは、「森林・環境教育」である。平成11年2 月に答申された、中央森林審議会の「森林利用部会」の議論の過程でも「森林・環境教育」という表現を用いていた。「森林という場を使って、森林という対象に対して、森林の機能を活かすという目的のための環境教育」と言い換えることもできる。
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森林環境教育の誕生
さて、森林環境教育という言葉はいつ頃から使われるようになったのであろうか。「○○環境教育」という表現は、1980年代に「環境教育」という言葉が一般に使われるようになってから、様々なものが生まれた。自然環境教育、エネルギー環境教育、都市環境教育などなど。もちろん「森林を利用した環境教育」の活動は1980年代から各地で行われてきたので、そうした中で「森林環境教育」という表現を使っていた所もあったであろうが、林野庁としての正式な文章に「森林環境教育」という言葉が登場したのは、平成11年2 月の中央森林審議会答申「今後の森林の新たな利用の方向〜21世紀型森林文化と新たな社会の創造〜」が初めてである。森林環境教育という言葉の誕生が意外と新しいことに驚くかもしれない。
森林環境教育が生まれた背景と期待
森林環境教育には | 環境の問題 林業の問題 教育の問題 暮らしの問題 | という背景がある |
そして、以上の問題の解決への期待と同時に 循環型社会の構築に向けた人々の理解の促進と一人ひとりが果たす役割への期待がある。それでは、それぞれの問題の背景と期待とは何なのだろうか。
・環境の問題から見た背景
生物多様性、水源涵(かん)養、地球温暖化防止、バイオマスの機能に期待
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近年、大気中の窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)による酸性雨や光化学オキシダントにより、樹木が障害を受け、森林衰退を招いている。世界的にも燃料生産や農地拡大のために貴重な森林が急速に失われつつある。しかし、森林はその多面的な機能により私たちの生活環境に大きく貢献し、人間の生活・文化・文明を支えている。
森林は多くの動植物の生活を支え生態系を維持しており、生物多様性にとって重要な機能を果たしている。また「緑のダム」と呼ばれるように洪水防止、渇水緩和、水質保全などの水源涵養機能を持つ。特に近年は、森林の二酸化炭素吸収および炭素固定機能が、地球温暖化防止の働きを持つと注目され、森林で持続的に生産できる木材を利用し、リサイクルや森林バイオマスとして薪や炭を見直すことで地球温暖化の主原因である石油等の化石資源・燃料の利用も控えることができる。
このように環境問題を解決するために、森林の多面的な機能を理解・維持・活用し、循環型社会を構築するための教育としての森林環境教育に期待が持たれている。
・林業の問題から見た背景
「持続可能な森林経営」の実現に向けた新価値の創造に期待
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戦後、拡大造林された日本全国の人工林は、間伐などの手入れがなされず、森林荒廃とまで言われている。これは安定量・安定価格の外国産材に国産材が太刀打ちできず、過疎の中山間地域では林業労働者の生活が成り立たない状況となり、産業としての林業が壊滅的な打撃を受けたことによる。しかし現在、林業は森林破壊を起こさない持続的な森林経営を前提として考えられており、特に、二酸化炭素の吸収源である森林の維持管理は認められている唯一の人為的な二酸化炭素の吸収行為である。循環資源としての木材の利用、化石燃料の代替としての森林バイオマス利用、さらには林業による循環型社会の構築などに注目し、林業や森林の新たな方向性「持続可能な森林経営」の実現を模索する方法として、森林環境教育 は期待されている。
・教育の問題から見た背景
「生きる力」を育む体験教育、環境教育として期待
教育の現場においては、自然体験や社会体験などの実体験の不足が問題視されている。理科教育も体験としての実験と考え方の基礎となる理論とを両立して教えるべきところ、実験などの体験不足も原因となり理科離れの生徒が急増している。また、児童や生徒のストレスによる精神的不安定なども問題である。そこで、文部科学省は「生きる力」を育むことを1つの大きなテーマとした。自然豊かな森林を「環境教育」のフィールドとし、自然の不思議を五感で体験し、科学に興味を持ち、自然の中で心を癒し自己の存在確認をすることは、子どもたちの人間形成に効果的に利用できる。また、完全学校週5日制の実施にともない、小中高校では地域の産業などと連携し「総合的な学習の時間」を行うことが義務づけられてお り、これに対して、里山管理作業などの学校林の活用や地域の林業や木材生産と連携した教育が期待される。
・暮らしの問題から見た背景
都市生活や生活空間における森林や木材の有用性
都市生活者は日常の暮らしにおいて、特にマンション等に生活する場合は土地との密着性が低く、自然環境と接する機会が減少してきている。また、生活空間の中で木に親しむ機会も少なくなってきている。しかしながら、私たちはたった1つの鉢植えの植物やちょっとした木製品が生活を和ませ、ゆとりを感じさせることを知っている。さらに、森林は動植物が豊富なので、都市に住む市民にとってレクリエーションや癒しの空間として期待できる。また、木材の持つ室内の調湿機能は天然のエアコンと呼ばれ、快適な雰囲気を提供する。木材の天然素材としての「ぬくもり」、年輪や木目から受ける「やすらぎ」など人間の心理的な面にも作用する。木材はリサイクル可能な人と環境にやさしい天然素材でもあるので、暮ら しの中で木材を効果的に使うことが期待される。
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